80年の夏でした。
友人の結婚式場を確保するため受付け日の三日前から清澄庭園の門の入り口へ数人で座り込む事になったのです。
夕方になると近所の子供たちが寄って来て
「兄ちゃん達、何やってんだい?俺も手伝ってやるからアイスくれよ。」
下町のガキは物怖じしない。
夜になると公園にいる浮浪者が寄ってきて
「こんなコンクリの所より、あっちのベンチの方が楽だぞ。」と声をかけてくる。
ビールを渡して丁重にお断りしたが、下町は浮浪者でさえ人情に溢れてる。(同情されてたのかも)
熱帯夜の翌朝は歩道の上に酔っ払った若いもんが数人グダーと伸びている。
すぐ近くのベンチでは浮浪者がグダーと伸びている。
そこへ子供の手を引いたお母さんが通りがかり、
「ぼうや、勉強しないとああいう風になるのよ。」
それは違うんだが確かに勉強はしてないな。
炎天下、夕立、警察の不審尋問にも耐えながらやっと取れた式場でした。
あのころのメンバーも今ではすっかり良いオヤジになってしまいました。